クレジットカードの支払い方法には、1回、2回払いのほか、リボ払いや分割払い、ボーナス払いなどいろいろな方法があります。中でも分割払いは、1回の支払い額を抑えられる便利な支払い方法です。
高額商品でも支払い回数を分ければ購入できる点はメリットですが、手数料がかかるのがデメリットでもあります。
分割払いのメリットとデメリットや注意点、またリボ払いなど他の支払い方法との違い、分割払いを上手に利用する方法について解説します。
クレジットカードの分割払いとは?リボ払いやボーナス払いとの違い
クレジットカードの支払い方法には、分割払いのほか1回・2回払い、リボ払いやボーナス払いなどといった方法があります。分割払いとの違いを見てみましょう。
クレジットカードの分割貼払いとは3回以上に分けて支払う方法
分割払いとはクレジットカードの利用代金を3回以上に分けて払う方法です。一括払いは利用代金を1回で支払う方法ですが、2回払いは2回に分けて払います。
2回払いも利用代金を分割で払う方法ですが、分割払いと違うのは手数料がかからない点です。分割手数料がかかるのは3回から。
支払い回数はカード会社によって異なり、3・5・6・10・12・15・18・20・24回といった中から、都合に合わせて選択できます。支払い回数は24~36回までを上限としているケースが多いです。
リボ払いは利用代金に関係なく設定した一定の金額を払う方法
分割払いは利用代金を支払回数で割って支払いますが、リボ払いは利用代金とは関係なく、設定された一定金額を払う方法です。
そのため、クレジットカードを1ヵ月に5万円利用しても、10万円買い物をしても払う金額は同じ(リボ払いの種類いによっては利用金額の設定範囲によって支払い金額が増えることもあります)です。
毎月の支払金額が一定なので、クレジットカードの支払額を気にせず大きな買い物が可能ですが、リボ払いは手数料がかかります。そのため、完済するまでに時間がかかると、その分手数料を払うことになります。
ボーナス払いは利用代金をボーナスで一括払いをする方法
クレジットカードの利用代金を夏や冬のボーナスで一括で支払う方法です。中には、2回の支払いが可能な場合もあります。1回払いなら手数料はかからず、ボーナスが支給されていない場合でも利用可能です。
ボーナス払いは支払い時期を先延ばしにできますが、店舗によって対応していないケースもあります。
利用代金を分割にすると支払いはしやすいが手数料がかかる
クレジットカードの利用代金を分割払いにすると、1回の支払いが楽になります。しかし、手数料がかかるのがデメリット。分割払いのメリットとデメリット・注意点を把握しておきましょう。
分割払いは1回の支払い額が減って支払いが楽になる点がメリット
高額商品などを1回で支払うのは厳しい、という場合、分割で払えると助かります。分割払いは1回の支払い額が少額になり、支払いがしやすくなる点がメリットです。
ほかのクレジットカードの支払いやカードローンの借入などがあった場合など、さらに支払いが増えるのは苦しいものです。しかし希少な商品で今買わないと買えなくなるなど、「今すぐ欲しい商品」があるとき、支払い額を抑えられれば、我慢しなくても購入することができます。
支払い回数が選べるので家計管理がしやすい
回数も選べるので、無理なく支払える回数を選択すれば支払いに困ることはないでしょう。回数も細かく設定され、20回以上、中には30回以上に分けて払うことができます。毎月いくら払うのかも明確なので、家計のやりくりもしやすいでしょう。
手数料がかかるのでその分の支払いが増える
クレジットカードの分割払いで注意したいのは、手数料がかかる点です。カードローンでお金を借りる際に金利がかかり、元金と利息を払いますが、それと同様、商品代金に手数料を加えた金額を払うことになります。
分割払いはクレジット会社が代わりにお店に商品代金を払うことで、利用者は支払いを先延ばしにできるということ。そのため手数料が発生します。
手数料は利用代金が高額になるほど、また支払い回数が多いほど(完済するまでに時間がかかるほど)たくさんかかることになります。
例えばJCBの場合、手数料(実質年率は)7.92%~18.00%です。10万円の商品を10回払い(実質年率15%の場合)にすると、支払いの目安は次のようになります。
初回 | 10,518円 |
---|---|
2回目~9回目 | 10,700円 |
10回目 | 10,699円 |
(実際は初回の日割り計算や最終回の端数調整などがあるので、目安として参考にしてください)
毎月手数料を払うことになり、一括で購入するより支払総額は増えてしまう点に注意しましょう。
支払いに余裕ができても使い過ぎないことが必要
分割払いにすると、高額な商品を買っても1回に支払う金額が少額になるので、もっとクレジットカードを使っても大丈夫、と考え使い過ぎてしまうこともあるでしょう。
しかし、先に述べたように分割払いにすれば手数料がかかり、総支払額は増えてしまいます。また、クレジットカードを使って分割払いを増やしてしまえば、1ヵ月の支払いも増えてしまいます。
分割にしても、利用代金はクレジットカードを使うたびに増えていることを忘れないことが大切です。
分割払いができないケースもある
分割払いにしようとしても、できないケースがある点にも注意が必要です。店舗によっては1回のみの支払いで分割に対応していなかったり、そもそも利用しているクレジットカードが分割払いができないものだったりすることもあるので、支払いの際は確認が必要です。
クレジットカードの手数料をなるべく抑える!分割払いの利用方法
クレジットカードの分割払いは高額商品を購入しても、1回の支払いが少額になるなどメリットも多いものです。しかし、手数料がかかる点は注意しなければなりません。分割払いを利用するなら、できるだけ手数料を抑えることが大切です。
支払い時に回数を選ぶ際は少ない回数で
手数料を抑えるなら、支払回数を少なくすることです。回数が少ないほど、払う手数料は少なくすみます。回数を増やせば1回で払う金額は抑えられますが、支払回数が増えるほど手数料もアップします。
3回以上の分割払いをした場合にかかる手数料は、分割回数が増えるごとに、手数料率も上がるのが特徴です。例えば、オリコの場合3回払いであれば14.8%の手数料率ですが、10回払いに回数を増やせば17.6%まで手数料率が上がります。
回数が多いほど手数料を払う回数が増えるだけでなく、手数料率も上がってしまうのです。手数料を抑えるには、支払い回数を少なくすることです。
余裕のあるときは繰り上げ返済をすると支払総額が減らせる
余裕のあるときは、繰り上げ返済で早期完済をすると支払い回数が減り、手数料も抑えられます。繰り上げ返済(早期完済)とは、分割払いを支払い期限の前に一括で払うことです。
分割払いの繰り上げ返済は、一括で払うのが条件となっているケースも多く、一部返済には対応していないことも多いです。
分割払い残高の臨時のお支払いは、残高全額を一括でお支払いいただく場合に限り承っております。
残りの支払い額を一括で払うことで、手数料の払い戻しもあります。いくら戻ってくるかは、クレジットカード会社によって違いますが、「78分法」という計算方法で算出されることが多いようです。
繰り上げ返済の方法はクレジットカード会社によって異なります。クレジットカード会社によっては、別途手数料がかかる場合もあります。返済のタイミングなどによっても支払い方法が異なるので、確認が必要です。
また、契約通りに支払いをしていないと、繰り上げ返済ができない場合もあるので支払いは遅れないようにしましょう。
手数料が安いクレジットカードを選ぶ
分割払いの手数料率は、クレジットカード会社によって異なります。手数料を抑えるには、手数料が安いクレジットカードを選ぶのも方法の一つです。
手数料率が安いクレジットカードを挙げてみましょう。
支払回数 | 3回 | 5回 | 6回 | 10回 | 12回 | 15回 | 18回 | 20回 | 24回 | 36回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
イオンカード | 10.05% | 11.3% | 11.43% | 12.04% | 12.19% | 12.31% | 12.38% | 12.4% | 12.42% | 12.34% |
楽天カード | 12.25% | 13.50% | 13.75% | 14.50% | 14.75% | 15.00% | 15.00% | 15.00% | 15.00% | 15.00% |
Tカードプラス | 10.76% | ― | 12.23% | 12.88% | 13.03% | 13.16% | 13.23% | 13.25% | 13.27% | ― |
ビューカード | 12.0% | 12.0% | 12.0% | 12.0% | 15.0% | 15.0% | 15.0% | 15.0% | 15.0% | ― |
これからクレジットカードを選ぶ場合、年会費なども踏まえて選ぶ必要があるので、必ずしも上記のようなクレジットカードがお得とは言えませんが、目安として参考にしてみてください。
また、手数料率は支払回数によっても異なるので、何回払いにするかも合わせて検討してみましょう。
分割払いのみに頼らずボーナス払いを併用する
クレジットカードで複数の支払いをする場合、分割払いを重ねると毎月の支払いが膨らんでしまいます。分割払いのみを選択せず、手数料のかからないボーナス1回払いと組み合せてクレジットカードを使いましょう。
ボーナス1回払いを選択すれば、毎月の支払い額を増やさずにすみます。毎月のクレジットカードの支払いがいくらになるか、いくらなら無理せず支払いができるかをシミュレーションして、支払い方法を選ぶことをおすすめします。
分割払いの途中で大きな出費がないか確認して回数を検討する
手数料を減らすには支払い回数を減らすことですが、1ヵ月の支払い額が大きくなる場合は、支払中に大きな出費がないか確認しましょう。
出費が重なると支払いが厳しくなることもあるでしょう。この月は結婚式に招待されている、この月は旅行に出かけたいなど予定を確認し、支払いが難しくならないようにすることです。
支払いが遅れると遅延損害金がかかると同時にクレジットカードが使えなくなるので注意
手数料を抑えたいとは言っても、回数を減らし1回の支払い額を大きくし過ぎると、予定外の出費などがあった場合、支払いができなくなることもあるので注意しましょう。
支払いが遅れると遅延損害金がかかってしまいます。
お引き落とし日の翌日からお支払完了日までの日数分について、ご請求金額に対し所定の利率で計算された額の遅延損害金をご請求させていただきます。
遅延損害金は1日でも遅れると発生するものなので、支払い期日はしっかり守ることが大切です。
また、支払いができないと、カードが利用できなくなります。
所定のお支払日までにご入金いただけないことが続きますと、ご利用を制限させていただく場合がございます。
何度も遅延していたり、支払いが滞ってしまったりすると、支払いを済ませた後でもクレジットカードの利用が制限されたり、解約することになってしまったりすることもあるので注意しましょう。
クレジットカードの分割払いができない理由と対処方法
クレジットカードの分割払いができないこともあります。支払い期限が過ぎていたり、限度額を超えてしまったりしていれば、分割払いではなくてもクレジットカードは利用できません。
支払いはきちんとしていても、分割払いができないケースもあります。分割払いができない理由と対処法について解説します。
クレジットカードの可能限度額を超過している
クレジットカードには可能限度額が設定されています。可能限度額を超えればクレジットカードでの支払いはできません。
例えば、利用可能限度額が30万円で、すでに25万円を使っていたとしましょう。購入したい商品が10万円なら、クレジットカードは利用できません。分割にして毎月2万円ずつ払うことにしても、商品代金が10万円なら、利用可能が限度額を超えてしまうことになるからです。
利用可能限度額はクレジットカードを作る際に決まります。いくらになるかは、クレジットカードや審査状況によって異なります。
クレジットカードの支払いを常に1回払いにしていれば利用代金がわかりやすいのですが、リボ払いや分割払いなどにしている場合、あといくら使えるのかわかりにくいものです。
利用可能限度額は増額をすることも可能ですが、その際は審査があります。審査通過できれば、利用可能限度額を増やすことも可能です。
クレジットカードの支払いが遅れている
クレジットカードの利用代金を支払っていなければ、当然、分割でも、1回払いでも、クレジットカードの利用はできません。利用代金を支払えば、またクレジットカードを使えるようになります。
ただし、何度も支払いが遅れたり、長く支払いを滞納していたりすると、クレジットカードの利用停止になるだけでなく、信用情報機関にその情報が登録されることがあります。
クレジットカードの支払い日をうっかり忘れてしまうといったこともないようにしましょう。
支払い方法を金融機関からの引き落としにするのも、支払いを忘れない方法の一つですが、引き落としが重なって支払いができなかったということも防ぎたいもの。クレジットカードやカードローンなど複数の支払いがある人は特に要注意です。
ただし、迷惑メールや詐欺目的でクレジットカードの名前を語ったメールもあるので、クレジットカード会社からのメールであることを確認してからメールを開けるようにしましょう。
お店によって分割払いができないケースがある
クレジットカードを使えるお店は多いですが、中には支払い方法が限定されている場合があり、分割払いができないことがあります。基本的にコンビニエンスストアやスーパーは、1回払いにしか対応していません。
クレジットカードの支払い回数(返済回数)は1回のみです。
コンビニエンスストアやスーパー以外でも、分割払いに対応していない店舗もあります。その場合は、決済後、支払い方法を変更するとよいです。
すべてのクレジットカードが決済後の支払い方法の変更ができるわけではないので、確認してみてください。中にはリボ払いへの変更はできても、分割払いへの変更はできないクレジットカードもあります。
誠に申し訳ございませんが、一回払いから分割払いへのご変更は承っておりません。
リボ払いへの変更は承っております。
また、変更できる期間などもあるので、支払い方法を後で変更する方法に関する注意事項なども確認しておきましょう。
分割払いが利用できないクレジットカードもある
クレジットカードの中には、分割払いができないタイプがあります。同じクレジットカード会社から発行されていても、1回・2回払い、リボ払い、ボーナス払いが可能でも分割払いはできないなど、種類によっては、分割払いができないケースもあります。
分割払いは一部のカードのみ、特定店舗でご利用いただけます。
お買物の際、お店でお支払い方法を「分割払い」とご指定ください。
ご利用いただいたものをあとから分割払いへ変更することはできませんので、ご注意ください。
※2回払いはご利用店でのお取扱いがあれば利用可能です。
分割払いを利用したい場合は、対応しているかどうかを確認しておきましょう。
「クレジットカードの分割払い」に関するよくある疑問
「クレジットカードの分割払い」に関するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q クレジットカードの分割払いは何回までできますか?
A クレジットカード会社によって異なりますが、最大24~36回が多いです。
Q クレジットカードを利用する際、分割払いにするには?
A お会計の際に、「分割払いで払いたい」ということと、「分割する回数」を伝えます。別途申し込み手続きなどをする必要はほとんどありません。
ただし、お店やクレジットカードによっては分割払いに対応していない場合もあるので、あらかじめ確認をしておいた方がよいでしょう。
Q クレジットカードの分割払いで注意することは何ですか?
A 手数料がかかることです。支払い回数が多いほど、その分手数料も支払わなければなりません。回数はできるだけ少ない方がよいですが、1回の支払い金額を多くしすぎて払えなくては困ります。手数料と1回に無理なく払える金額を計算し、回数を決めるようにしましょう。
Q クレジットカードの分割払いとリボ払いの違いは?
A 分割払いは利用代金の支払い回数を利用ごとに決められる方法で、リボ払いは月々の支払額が一定になる方法です。
Q 支払いの際、お店で分割払いができないと言われたときはどうすればよいですか?
A ほかの支払い方法を選択するか、後から分割払いに変更しましょう。クレジットカード会社によっては、後から分割払いにできないこともあるので、あらかじめ支払い方法を確認しておいた方が安心です。
クレジットカードで分割払いを選択する際は手数料を考慮して回数を選択する
クレジットカード分割払いは、高額な商品や利用代金をわけて支払うことのできる便利な方法ですが、支払い回数を多くするほど手数料がかさんでしまいます。
支払い額を抑えるには、支払い回数を少なくすることです。ただし、1回の支払いは無理をしない金額にしましょう。余裕のある月は繰り上げ返済をするのもおすすめ。手数料の払い戻しも可能です。
分割払いは1回の支払い額を少額にできる点がメリットです。手数料を抑えるようにして、上手に利用しましょう。